手記

混血カクテル

生きるということは、何度も開く傷口をそのたびにやさしくつなぎ合わせることだ。奇跡は時々呪いになる。 呼吸も浅いまま夏と別れ、秋を待たずに冬がきた。色を失くした世界で、君のための歌を、君じゃない誰かのために歌った。冬の空気はやさしいが、寄り添…

諦念、あるいは

ぜんぶ嘘だった。 あるいは幻だった。 それは自分自身が創りあげたものであり、学校のトイレの個室でひとり泣いていた自分を いつも大事なものを、強く握りすぎて壊してしまう自分を守るための要塞だった。 誰も手を差し伸べてくれなかったから、自分で自分…

15

冷え切ったキャラメルを口の中で融かす。真白い壁を睨みつける。ピアスホールを開けた冬の25時を思い出す。踵がすり減った赤い厚底のパンプスを思い出す。なにもかもがそれだけで、どこにも居場所がなくて、誰からも嫌われて誰もを嫌って、友達がライブ会場…

かなしいうた

九月八日 秋がくるのがうれしい。秋になると突然、今までの長い人生のすべてが無意味だったように思えてくる。得体の知れない幸福感と厭世感の狭間でふわふわする。肌寒くなっていくのにつれて活気を失っていく街が好き。さみしさが映るきみの顔が好き。 秋…

メトロポリタン ジュブナイル 改

どうにもならないときに聴く曲はいつも決まってる。安物のイヤホンで心に蓋をする。十代の自殺 teenage suicides は年間で九月一日が最多らしい。まるで近代文学にありがちの呆気ない結末、結末にしてそこに終着点は無く、届きそうで届かなかった夏への生ぬ…

7分 で melancholy

最近のこと 17日に誕生日を迎えてひとつ歳をとりました。 大好きな女の子から花束をもらったよ はやく大人になりたいと常々おもっている、つまりはまだまだ子供ということです。 一昨年にはできたことが去年できなくなって、去年できたことが今年はできなく…

矛盾と憂鬱なフライデー

平和主義のぼくだが、羨望や嫉妬で狂ってしまいそうな日もある。 ぼくにはないものをすべて、ひとつ残らず持っているあの子がうらやましい 美しさと、無責任さと、それでもいいかって笑えるメンタル 生まれてきて早18年、疑問符だらけの18年間。 許されるな…