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冷え切ったキャラメルを口の中で融かす。真白い壁を睨みつける。ピアスホールを開けた冬の25時を思い出す。踵がすり減った赤い厚底のパンプスを思い出す。なにもかもがそれだけで、どこにも居場所がなくて、誰からも嫌われて誰もを嫌って、友達がライブ会場にしかいなかった、大事な青春を思い出す。やさしくて幼い記憶で心に傷を付ける。喉に絡まるあまい絶望に魘される。意味もなく涙が出る。もう何も、何ひとつも残ってないけど、帰る場所があってよかったって、思う、きっとこれは、悪あがきみたいなものだけど、どうか許してください。貴方だけが私の神様だから、勘違いでも錯覚でもそれが私のすべてだから。どこまでも勝手に信じる。呪いみたいに愛し続ける。殺されるなら、貴方の歌が良い。貴方の歌で殺してほしい