かなしいうた
九月八日
秋がくるのがうれしい。秋になると突然、今までの長い人生のすべてが無意味だったように思えてくる。得体の知れない幸福感と厭世感の狭間でふわふわする。肌寒くなっていくのにつれて活気を失っていく街が好き。さみしさが映るきみの顔が好き。
秋の季語 グレーのニット、スウェードのハイヒール、YSLの14番
かなしいとか全部ひとりでどうにかしたい。他人に頼りたくない。
「大丈夫?」「平気?」って聞かれた瞬間に誰よりも大丈夫じゃなくなるんです。平気だったことが急に平気じゃなくなるんです。他人のやさしい言葉に心の要塞を破壊される。脆い、だから、ますますひとりでいるしかない
ぼくが不幸じゃなくなったらみんな嫌いになるくせに。ひどい話だ
かなしいことなんて今更つらくない、だって悲しい歌には意味はないけれど悲しい歌を歌うその行為には価値がある。世の中はそうやって出来てるって神さまが教えてくれた
おやすみ 夢でまた