生まれ変わりたくない

 

ㅤむかしから家族そろった夕食のときは必ずニュース番組がついていて、普段は厳しくない母もテレビのチャンネルだけは譲らなかったので、私たちはニュースキャスターの無機質な声だけをbgmに食事をすることを余儀なくされていた。それはまったくゆるやかな拷問で、私はどこかの誰かが死んだ話を聞きながらものを食らってすくすくと大人になった、性格の節々が歪んでしまったのも おおかた原因はそこだろうと踏んでいる(諸説あり)。ㅤダイニングルームという監獄では飾った花さえ呼吸を忘れたみたいに静かだった。ㅤそんな心地悪い静寂が私にとっての家族である。


切れることには切れるけれど、傷付けたところから血が溢れてしまう。

 

ㅤ夏は世界の彩度と解像度があがるから嫌い。不運なことに今年もやってくるそれに私はきっとまた負けるだろう。生きることにめちゃくちゃお金かけるのも楽しみのひとつになってしまったけど、何もせずともきらきらしてる子を見ると全部ばからしくなる。いいなあ、もっとメンタル強くなったら大赤字の人生帳簿みて私赤色大好きって笑えるかな?