メトロポリタン ジュブナイル 改

 
どうにもならないときに聴く曲はいつも決まってる。安物のイヤホンで心に蓋をする。十代の自殺   teenage suicides   は年間で九月一日が最多らしい。まるで近代文学にありがちの呆気ない結末、結末にしてそこに終着点は無く、届きそうで届かなかった夏への生ぬるい未練だけ残していくおわり方、慈しみと狂気が混ざったたったひとつの呪縛みたいに。夏なんてずっと、はじまる前から鬱陶しくて、終わる前から恋しい。
 
 
 
大事な存在が、大事なのに、どんどん遠ざかっていく、ぼくの嫌いなものに近付いていく感覚、じりじりとほんの僅かずつ足元を焼かれているような、冷や汗が目に染みて痛いようなこの感覚は、きっとまっしろい空をまばたきしながら見たような、淡い淡いピンク
視界が塗りつぶされるようなピンク
何もかも覆い尽くすピンク色
今この瞬間もどこかで誰かが手首を切ってるなら    ピンクのネオンなんてもういらない
 
ぼくは良い子じゃないから、死んでいく星に祈るなんて馬鹿げたことはしませんでした
 
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青はよろこびと哀しみと世界のすべて
白は憂いと幼さと夢
黄色は滑らかさと愛しさと甘味
紫は嘘
淡いピンクは恐怖と憤りと遣る瀬ない気持ち
黒はやさしさ
 
夜は目隠し    朝は償い   白昼夢
 
metropolitan juvenile delinquents
裏切りの前にモラトリアムなど存在しないのだ